チリにおける持続可能な沿岸漁業及び養殖に資する赤潮早期予測システムの構築と運用 (Monitoring of algae in Chile)
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「MACH-IFOP」インタラクティブ科学展示の実施

ニュース
2022.06.13

MACH-IFOPは、実施中プロジェクトがチロエ島やカストロ市でアウトリーチ活動を行うために連携した「天然資源研究開発センター(LACUY Ltda.)」の協力のもと、実施することが出来たインタラクティブ科学展示会です。LACUYは、文化・芸術・遺産省の管轄下にあるカストロの文化センター(CECREA)との調整会議を通じ、我々のプロジェクトと協働で有害藻類(HAB)に焦点を当てたインタラクティブ展示の実現に向けて準備をしてきました。

このインタラクティブ科学展示会は、5月16日から20日の週に、CECREA施設内に異なるスペースを設け、カストロ周辺やチロエ島の様々な地域の中高生に対して、物理学や生物学に関する海洋学の展示を見て回れるように構想されました。

 第1ブースでは、 IFOP環境部門 (IFOP Putemún, Castro)の研究者が参加し、サンプルを採取するための海洋学機器を展示するとともに、物理海洋学の基本概念(塩分、海流、pHなど)についての説明を行いました。生物海洋学ブースの展示では、CREANセンターとMACHプロジェクトが展示を担当し、海洋中のプランクトン、植物プランクトンの多様性、主な有害微細藻類、これらのプロセスを研究するための手法や技術等が紹介されました。この展示会には、ラ・フロンテラ大学(UFRO)が所有するMACHプロジェクトの移動式研究室(ラボバス)も参加し、小中高生が海洋でのサンプル採取や処理を可能にする各種機器の説明、HABを発生させる微細藻類の検出方法についての紹介が行われました。

この展示会では、午前の部は主に小学校から高校生までの学校団体を受け入れ、午後の部では一般向けに公開されました。また、養殖分野に特化した水産学校の学生グループにも来ていただきました。

5月18日(水)にはMACHプロジェクトの研究員であるGonzalo Gajardo博士(ロスラゴス大学:ULAGOS)によるサイエンストークにも参加頂き、プロジェクトの研究テーマである海洋中の有害微細藻類とバクテリアの相互作用についての講演を行いました。

 更に8つの異なるブースにおいて、有害藻類の繁殖プロセスやそれらに関する様々なアクティビティが行われました。展示期間中には12名の研究者が参加し、Castro市、Dalcahue市、Chonchi市、Ancud市、Curaco de Vélez市から合計400名以上の若者たちが訪れてくれました。

写真1:CECREAセンター(海洋物理学)のエントランスホールの展示。

写真2:センター2階(生物海洋学)での展示。

写真3:センター2階での実験用スーツケースラボをフィールドモニタリングのツールとして紹介。

写真4:CECREAセンターの外に設置された、インタラクティブ科学展を補完するためのラボバス。