去る2019年10月10日、Los Lagos州Chiloe島Castro市において貝養殖技術研究所(INTEMIT)及びチンキウエ財団持続的貝養殖技術普及センター(CETMIS)が共催した地元貝養殖事業者向けのセミナーに参加した。セミナーには、漁業局Los Lagos州事務所(SERNAPESCA)、Castro市チロエ島地元民間企業(貝養殖関連会社等)、チロエ島地域高校生等(Castro市、Chonchi市、Quemuchi市)200名以上が参加した。
このセミナーは毎年10月、INTEMITがLos Lagos州貝養殖従事者を対象として、貝養殖に関する最新情報に通じた研究者と地域産業の情報共有促進を目指すイベントで、今回で5回目の開催となるとのことで、INTEMITよりMACHプロジェクトへの要請があり、MACHプロジェクトからラフロンテラ大学(UFRO)のProf. Milko Jorquera (Project Director) が参加することとなった。
Jorquera氏は「スーツスラボを使用したチリ沿岸海域の有害藻類の検出(Rápida detección específica de algas nocivas en aguas costeras chilenas con nuevos equipos portátiles y desplegables (“Suitcase Lab”))と題し、実施中プロジェクトの概要紹介、現在開発中のスーツケースラボの具体的な実用例と、貝養殖地域における意義等について発表した。発表時間は20分で、その後10分間の質疑応答が設けられた。発表ではスーツケースラボを使用し、赤潮原因藻類の一種である「Alexandrium catenella」を現場で検出できること、またこれらの検査に要する時間が約2時間と、従来行政機関が行っている検査に比べ時間が大幅に短縮できること、そして一検査ごとに要する検査コストが低い点(一回の検査で約US$4.63)等が強調された。
当日は、MACHプロジェクトメンバーの一人Los Lagos大学のProf. Gonzalo Gajardoもセミナーに参加しており、発表終了後のコーヒブレークの時間を使い、参加者にスーツスラボを実際に見て頂き、どのように赤潮原因藻類を検出できるのかを説明した。当日は多くの地元高校生や地元民間企業(貝養殖事業者)が参加し、実施中プロジェクトが、同地域で社会問題となっている「赤潮の早期検出」を目指すプロジェクトである点を十分理解頂くことが出来た。